DISPLAY 2022.08.06
店舗のディスプレイをデザインする際の考え方や他店と差別化を図る方法
「店舗のディスプレイをデザインから任せられたけど、何から始めてよいのかわからない」といったようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
店舗のディスプレイのデザインは、店舗の雰囲気や商品価値を伝える役割を担っています。
今回の記事では、店舗のディスプレイのデザインを考えるときの基礎知識や他店との差別化を図る方法をご紹介します。
この記事を読めば、店舗のディスプレイのデザインをする際のヒントを得られるでしょう。
店舗のディスプレイデザインの目的
店舗のディスプレイのデザインの目的の1つに自社のブランドや商品価値をお客様にわかりやすく伝えることが挙げられます。
ディスプレイデザイナーやディスプレイ担当者は、お客様のニーズを把握し、限られた予算、アイテム、装飾などを使って、購買意欲を引き出す店舗のディスプレイのデザインを考えることになります。
店舗のディスプレイのデザインには、「お客様にこの商品を手に取ってもらいたい」「自社のファンになってほしい」といった店舗からお客様に伝えたいメッセージがあるはずです。
しかし、メッセージが伝わりにくい店舗のディスプレイのデザインでは、お客様は素通りしてしまいかねません。
店舗のディスプレイのデザインを見たお客様が、店舗からのメッセージを正確に受け取り、立ち寄りたくなるようなデザインを手掛けることがポイントになってきます。
店舗のディスプレイをデザインする7つのポイント
店舗のディスプレイをデザインするにあたり、お客様に伝えたいメッセージはあるけれども、どうやって形にすればいいのかわからない方もいるでしょう。
店舗のディスプレイのデザインでお客様の注目を集め、メッセージを受け取ってもらうには基本知識と技術を習得しておくと、実践の際に役立ちます。
ここからは、店舗のディスプレイをデザインするときに押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。
1.テーマ
まずは店舗のディスプレイのデザインのテーマ設定をしましょう。
「新商品をアピールしたい」「夏におすすめのアイテムを提案したい」「店舗ブランドの世界観を伝えたい」など、お客様に何を伝えたいのかによって、テーマ設定は大きく変わります。
テーマ設定を考えるヒントとして、4W2Hを元に考える方法があります。
いつ(When)、どこで(Where)、誰に(Who)、どのような商品を(What)、どれくらいの予算で(How much)、どのように提案するのか(How)を1つずつ考え埋めていきましょう。
テーマ設定に合わせて、店舗のディスプレイのデザインの配色、アイテム、POPなどを選ぶと、統一感のある店舗のディスプレイのデザインになる傾向があります。
統一感のある店舗のディスプレイのデザインは、お客様に居心地のよさや商品の見やすさを提供できるでしょう。
2.商品の見せ方
店舗のディスプレイのデザインでは、商品の見せ方の工夫が必要です。
商品の見せ方にはグルーピングとフェイシングという2つの方法があります。
グルーピングとは、同一商品や類似商品、関連性の高い商品、配色が似ている商品などをひとまとめにして、陳列する方法です。
グルーピングをすると、細々した商品もまとめて大きくみせることができるため、お客様の目に止まる可能性が高まるとされています。
グルーピングされた商品の陳列方法は次の3種類です。
・水平くくり…1つの棚に商品を水平に並べる
・垂直くくり…平積みで商品を垂直に並べる
・ブロックくくり…商品を水平・垂直方向にまとめて並べる
店舗のディスプレイのデザインの範囲や場所に応じて、適した方法を選びましょう。
次にフェイシングとは、商品の顔であるパッケージやラベル、デザインを正面に見せる方法です。
商品を正面に見せる「フェイスアウト」と側面を見せる「スリーブアウト」の2種類を使い分けると、お客様に注目してほしい商品を際立たせることができるでしょう。
こちらの事例では展示する商品数を少なくし、「フェイスアウト」を駆使して、商品を見せています。
3.余白
陳列の際に余白を駆使することでもお客様に与える印象を変えられる可能性があります。
以下は、余白を大きく取った事例です。
陳列の際に余白を駆使することでもお客様に与える印象を変えられる可能性があります。
以下は、余白を大きく取った事例です。
店舗のブランドに合わせて商品の陳列数を増減することで、お客様に自社のブランドイメージを伝えやすくなるでしょう。
4.配色ルール
店舗のディスプレイのデザインの配色は、お客様の心理に大きな影響を与え、店舗の印象を左右します。
店舗のディスプレイのデザインは、赤→橙→黄→緑→青→紫の順番に円形にあらわした色相環を意識しながら、配色を決めるとよいでしょう。
色相環で隣り合う色同士を組み合わせて使うと統一感が増し、落ち着きのある店舗の演出がしやすくなります。
上記の画像では白色を中心とすることで統一感を出しています。
一方、色相環で向かい合う色同士を組み合わせると、楽しさや賑やかさのある店を演出できるでしょう。
上記の事例では、赤と緑を使用しており、賑やかな印象を与えるのではないでしょうか。
配色ルールは、新商品や注目商品など目立たせたい店舗のディスプレイにしたい際に活用されるテクニックとなっています。
ただし、向かい合う色同士の組み合わせは刺激の強い印象を与え、ストレスや落ち着きのなさを感じる組み合わせにもなり得るので扱いには注意しましょう。
5.アクセント
お客様に注目して欲しい商品にアクセントをつけると、店舗のディスプレイのデザインにメリハリが出るとされています。
POPをつける、台の上に商品を置いて高さを出す、少し前に出すなどの陳列をして、お客様に商品をアピールしましょう。
6.導線
売れる店舗のディスプレイのデザインをするときには、お客様の導線を考えましょう。
導線とは、お客様が店舗に訪れたときに、売りたい商品の場所へ向かってもらうよう、計画的に設定する通路です。
導線を考えないまま、店舗のディスプレイのデザインに力を入れても、せっかく店舗に立ち寄ったお客様を逃してしまうかもしれません。
なぜなら、導線が考えられていないと、お客様が店内を思うように歩き回れず、商品を満足に見ることができないため、滞在時間が短くなってしまう可能性が高まるからです。
通路を広く確保して買い物しやすい環境を整えたり、奥の商品が見えるよう配置を変えたりするなどの工夫をしましょう。
7.陳列方法
店舗のディスプレイのデザインで、お客様の目に止まりやすいとされるパターンがあるのをご存じでしょうか。
この決まりを構成といい、構成に沿ってデザインを考え、什器や商品、装飾を配置するとお客様の目に止まる確率が高くなると言われています。
店舗のディスプレイのデザインの代表的な陳列方法は次の3つです。
・三角形の構成(トライアングル)
・左右対称構成(シンメトリー)
・リピート構成
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
まず三角形の構成(トライアングル)は、三角形を描くように商品を陳列する方法です。
中央に背の高い商品、両サイドに背の低い商品を陳列し、三角形に見えるよう配置します。
下から支えるような安定感は、商品をより美しく魅力的に見せることができるでしょう。
高さにばらつきのある商品を陳列するのにも適している陳列方法になります。
次に左右対称構成(シンメトリー)は、中央線を境に、商品を左右対称に陳列する方法です。
人は左右対称のものに美しさや心地よさを感じやすく、商品やブランドに対し好印象を抱きやすくなります。
規則正しく商品が並べられているため、商品の売れ行きがわかりやすいのも特徴です。
最後のリピート構成は、同じ種類の商品を同じ向き・角度、等間隔で繰り返し並べる陳列方法になります。
1つの商品を繰り返し並べることで、視界に入る面積を増やし、存在感を大きく見せることができるでしょう。
同じ種類の商品でなくても、同じ形、サイズ、色の組み合わせでバリエーションを演出することができます。
リピート構成では、商品のデザインやカラーなどの特徴が強調されるので、店舗が注目してほしい商品のディスプレイのデザインに用いると手に取ってもらえる可能性が高まるでしょう。
店舗のディスプレイデザインを他店と差別化する方法
店舗のディスプレイのデザインでお客様の足を止めるには、デザインを他店と差別化することが重要とされています。
しかし、基本的な考え方やテクニックを逸脱したデザインでは、統一感のない店舗のディスプレイのデザインになってしまう恐れがあるので、注意が必要です。
ここからは、店舗のディスプレイデザインを変えずに、他店と差別化する方法をご紹介します。
1.オリジナルの什器を取り入れる
什器とはディスプレイの器材の総称です。
具体的には次のような器材が什器に当たります。
・棚
・ショーケース
・テーブル
・アクリルボックス
どの器材も店舗のディスプレイのデザインに必要とされるアイテムです。
店舗のディスプレイのデザインでは、コストを抑えるため、大量製造された同じデザイン、同じサイズの什器を利用しているところがあります。
そのため、同じ什器、陳列方法を用いると、似通った店舗のディスプレイのデザインになってしまうのです。
また、オリジナリティのある店舗のディスプレイのデザインを試みても、大量製造の什器では実現できないこともあるでしょう。
店舗のディスプレイのデザインで他店と差別化したいのならば、オリジナル什器を使用してみるのも有力な手段です。
店舗の雰囲気に合わせて什器を作ることで、以下の3つのメリットが得られます。
・自社のブランドをアピールできる
・スタッフの使い勝手や安全性に配慮できる
・商品をより魅力的にアピールできる
ただ、店舗の規模や予算によってはオリジナルの什器を購入できないこともあるでしょう。
そのようなときは、以下のような段ボール什器を導入するのも1つです。
段ボール什器は、ネジや工具などの工具は一切不要で、簡単に組み立てられます。
四角だけでなく、写真のようなラウンド型の什器にするのも可能です。
詳しくは以下のページをご覧ください。
「旅する什器」でエコに、手軽に、アイキャッチ効果抜群の演出をしませんか?
2.ブランドカラーやコンセプトカラーを取り入れる
店舗のディスプレイのデザインにブランドカラーやコンセプトカラーを取り入れて他店との差別化を図りましょう。
人は、色によって関連付けたイメージを思い浮かべる傾向にあります。
たとえば、赤は情熱やエネルギッシュなイメージを、青は落ち着きやクールさを連想しやすいとされるのが一般的です。
色が持つイメージや色から与えたい印象を考え、店舗のディスプレイのデザインに取り入れることで、色と店舗が紐づきお客様の印象に残るため、差別化が図れる可能性があります。
以下は、クレストが手掛けた「FR2 原宿」様の店舗のディスプレイのデザインです。
大きなガラス面に、コンセプトカラーであるイエローを基調としたインパクトのある「FR2」のネオンが印象的です。
コンセプトカラーのイエローとブランド名がお客様の印象に残りやすいと予想される店舗のディスプレイのデザインとなっています。
クレストの店舗のディスプレイデザインの事例
クレストでは、これまでさまざまな店舗のディスプレイを手掛けてきました。
ここでは、クレストの店舗のディスプレイのデザインの事例を3つ見てみましょう。
・CHARLES&KEITH
・SENN
・BAYFLOW
それぞれどこを意識し、何をお客様に伝えようとしているのかをまとめましたので、店舗のディスプレイのデザイン制作の参考にしてみてください。
事例1.CHARLES&KEITH
CHARLES&KEITH様は、シンガポールに本社を置くファッションブランドです。
ボックスを組み合わせた什器と、頬杖をついて誰かを待っているようなゴールドのマネキンが印象的な店舗のディスプレイのデザインとなっています。
ゴールドとシルバーをコンセプトカラーに置きつつ、ブラックを背景、什器を白に統一することで、高級感や華やかさのなかにも落ち着きのある雰囲気になりました。
ボックスの什器のなかには商品だけでなく、ゴールドやシルバーの球体の装飾を納め、まるで宝探しをするかのように商品を見てもらえるでしょう。
事例2.SENN
SENNは天然由来成分を配合したオールインワン化粧品などを販売する、株式会社TO NINE様のブランドです。
コンセプトカラーであるネイビーの壁面に木目調の什器を使用することで、落ち着いた大人をイメージできる店舗のディスプレイデザインとなっています。
コンセプト紹介から商品展示へ、誘導できるような作りにしている点もポイントです。
事例3.BAYFLOW
BAYFLOW様は30~40代の男女をターゲットとした、心地よいファッションを提案する会社です。
この店舗のディスプレイのデザインでは、丸い花瓶に、春を感じる桜をたくさん装飾することで、見ているだけで春の訪れを感じさせます。
花瓶の周りに春物の服を並べることで、お客様は店舗のディスプレイのデザインと商品を見ながらどの服を着て花見に行こうかなど、想像しながら買い物を楽しめるでしょう。
店舗のディスプレイデザインに迷ったらクレストへ相談を
店舗のディスプレイをデザインするには、アクセントや配色ルールなどのポイントを押さえるとよいでしょう。
また、他店舗との差別化を図ることも重要な要素となりうるので、本記事で紹介した内容を意識してみてください。
クレストでは、ブランドや商品をよりよく魅せるための店舗のディスプレイのデザインのノウハウがあり、デザインやコンセプト設計からお客様とともにおこなえます。
店舗のディスプレイのデザインでお悩みなら、ぜひクレストへご相談ください。
お問い合わせは、下記フォームを入力していただくか、( Tel : 050-1748-9953)(Mail : info@crestnet.jp ) までご連絡お願いいたします。