RETAIL TECH 2021.09.02

「店舗計測」が小売店にもたらす一番のメリットは何か?のウェビナーレポート<後半>

 

ウェビナーレポート前半はこちら

 

「店舗計測」が小売店にもたらす一番のメリットは何か?

 

(中村)一番の価値は“データ”にあって、そのデータに基づいて企業様が定量的な経営活動ができることだと考えております。

商品開発やマーケティング活動、オペレーションなどの一連の流れはすごくお金がかかりがちなので、どこにテコ入れをするか判断することは非常に重要です。

ECサイトで購入していただいたお客様はどこから流入されたのかを調べ、それをもとにどう運営していくべきか考えやすいですが、それをリアル店舗でも実現できるようにしたいです。

 

経営上見えていなかった切り口を、データを通して発見してもらい、問題を解決して売上に繋げてもらうということが最大のメリットと考えてます。

 

(阪本)小売企業様の中でも、経営層の方がとくにデータのメリットを得られるんじゃないかと思います。

 

(中村)確かに、経営上のインパクトが大きいものに関しては、データを見て客観的に判断をすることが重要となってきます。

しかし、店舗に来たお客様が特定の商品を見ていたときに、それをカメラで検知してスタッフに通知がいくように設定するといった計測方法もあります。

そういった意味では現場スタッフの方にもメリットがあると考えられますよね。

 

(阪本)あとは来店者数の予測データもご活用いただけますよね。

シフトや休憩時間のローテーションを考えるときに参考にしていただくとか。

 

さらに活用していただくことを考えれば、計測したデータを「いかに加工してダッシュボードにしてお渡しするのか」も見据えるべきなのではないかと常々考えてます。

やはり現場スタッフの方は常に忙しい環境にいらっしゃるので、毎日データを細かくチェックする余裕はないと思ってます。

そのような忙しい方に寄り添ったソリューションを提供できるのが理想です。

 

また、チャットボットによる数値報告ツールがあればもっと手軽にデータ確認できるかと考えてます。

最近の企業のLINEbotのように、「今の店舗の入場者数どれくらい?」と打てばすぐに数値が出てきたりと、このぐらいのレベル感でできれば現場スタッフの方も活用しやすいんじゃないでしょうか。

 

まとめますと、データを見ることで店舗や企業経営が変わってくるというメリットに繋がる、とお伝えしたいです。

 

「データ」よりも「感覚」を重視する社内をどうやって説得する?

 

(中村)これは本当に難しい話だと認識しています。

「データを見てどうなるかがイメージ湧かない」という声を多くいただくので。

 

まず説得する方法の1つして、データドリブン経営で成功されている企業が続々と出ているという事実を知ってもらうことが挙げられます。

 

具体的にデータの何が良いかというと、複数の店舗のクオリティを上げやすくするところだと考えています。

例えば、A店舗の売上が良くても、B、C、Dの店舗も同様に良くしようとするのは本来難しいことです。

しかし、データ分析を導入することで、A店舗がなぜ売上が良いのか可視化し、B、C、Dの店舗にも活かすことが可能になります。

実際に成功されている企業様は、そういうデータで発見した施策を横に広げていく動きが取れている印象です。

 

(阪本)データは「自分たちの勘が合っている」ことを証明するツールでもあると思ってます。

データ化していくことで、企業の中に“型”ができていくイメージですよね。

 

私たちって入店者数カウンターからご案内することが多いのですが、入店数に何を掛けて広がりをもたせていくべきかが結構重要になってきます。

例えば、客単価だけではなく入店単価(入店者1人当たりの単価)を見ていくと、意外な結果が見えてくるかと思います。

「この店舗は売上が良いから問題ない」と思っていたら、いざ入店者数を調べてみると入店単価が著しく低かったというケースが多くあります。

 

これからの店舗計測はどうなっていくのか?

 

(中村)今後も変わらないと思うのは、圧倒的に多い情報量が取れるカメラがカギとなるところですね。

以前よりも精度が上がっていますし、今以上にできることも増えていくと思います。

 

ただ、今年に入ってから“マイク”でデータ取得する動きが多く見えました。

例えば、店頭の接客スペースに設置し、声を拾ってデータ化するといった需要が高まっています。

守りの意味として、クレーム対応のときに会話内容をすり合わせる際に活用ができます。

あとは、会話内容をマイクで拾って、成績が良い接客スタッフや営業マンはどういう話し方をしているのか分析できるようになります。

 

(阪本)私は結構ダッシュボードなどのデータ出力もより洗練されていくのではないかと思います。

先ほどチャットボットの例を出しましたが、それ以外にも何か良いアウトプット方法があるんじゃないかと考えてます。

毎日お客様とやり取りしているので、会話の中で何かヒントにつながることがないか探っています。

 

ウェビナーのまとめ

 

・精度の高さも必要ではあるが、常に一定の精度を保てることの方が重要

・“明確な目的”を立てることは、店舗計測の成功のカギとなる

・定量的な経営活動ができることが計測のメリット

・データを蓄積していくことで、企業の中で“型”を作っていくことができる

・Output(解析結果の表現)も、Input(カメラ以外の音声などセンサー技術)も日々進化しているので、計測の可能性はさらに広がる

 

AIツールを使った店舗分析、計測に関して「社内で導入できるかイメージが湧かない」という方には参考になるウェビナーだったのではないでしょうか。

 

もちろん導入するだけでは求める結果が出ませんので、導入前に目的を理解し、知りたい情報や環境に合ったツールを導入し、データを使って施策を打てる体制にする必要があります。

 

データドリブン経営を目指すのであれば、まずは計測に関する情報を集めてみてはいかがでしょうか。

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