RETAIL TECH 2020.09.23
【計測ツール活用方法】人員の最適化により売上・購買率アップを狙うための具体的方法を公開
数多くの企業では「店舗の売上に繋がるような人員の最適化」を目指していますが、決して容易なことではありません。
とくに人員の入れ替えが激しかったり、人材不足でシフト調整がしづらい店舗であれば、売上よりも欠員が出ないようにするだけで一苦労だと思います。
しかし、その場しのぎでシフト調整をするよりも、一度店舗の状況がわかるデータをもとに運営をしていけば、「どういうシフトを組めば結果につながるのか」わかりやすくなります。
今回は、店舗の売上につながる人員の最適化を図りたいという方向けに、弊社の提供している計測ツール(Xovis、RETAILSCOPE)を活用して具体的にどのようにアクションをとればよいか説明いたします。
また、店舗計測ツールについてご興味がある方、具体的にどのような活用ができるか知りたい方も記事を参考にしていただければと思います。
前回の記事:【リアル店舗向け】時間と費用を無駄にしない効果検証の方法とは
人員の最適化をすることで解決できる課題
人員の最適化の最終的な目標は“売上を上げる”ことですが、その前に人員の最適化における『目的』を明らかにすれば、具体的にどのようなことを改善すべきかが見えやすくなります。
例えば、
・販売機会ロスを防ぎたい
・店舗スタッフの接客改善をしたい
・店舗スタッフの公平な評価をしたいけど、売上の増減だけで判断できない
以上のような店舗の悩み・課題を出せば、「多くのお客様に購入してもらえるように人員配置をする」「スタッフの接客を評価するために、まずは現状の購買率を確認する」などと次のアクションが明確になります。
人員の最適化による想定効果
人員の最適化ができれば売上につながりやすくなりますが、売上以外に着目すべき数値は『購買率』です。
人員配置が改善されて購買率が1%あがるだけで、売上にも大きく貢献します。
もし、購買率が9%の店舗が、人員の最適化をすることで10%まで引き上げたことによって売上にどのぐらい影響するのかわかりやすくまとめました。
↓
・平均購買率が9%
・1日の平均入店数:400人
・平均客単価: 5,000円
上記のような状況であると仮定します。
<入店数 × 購買率 × 客単価 × 30日 = 売上> の計算式を使って売上の変動を確認します。
【購買率9%の場合の売上】 400 × 0.09 × 5,000 × 30 = 5,400,000
↓
【購買率10%の場合の売上】400 × 0.1 × 5,000 × 30 = 6,000,000
計算からわかる通り、購買率が1%アップするだけで、1ヶ月の売上が600,000円上がりました。
多店舗展開している企業であれば、全体の一ヶ月の売上が600,000円×店舗数となります。
具体的なアクション方法
想定効果がわかったところで、導入からデータの活用の仕方までの流れを具体的にご紹介いたします。
計測ツールの導入
入口にXovis、もしくはRETAILSCOPEを設置して入店数を計測します。
Xovisの場合は、入口天井に設置し、真上から計測できるようにすることが必須です。
RETAILSCOPEの場合は、計測対象の斜め上から計測します。
設置環境によっては三脚などの道具を使う場合もあります。
計測ツールを設置できたら、連携しているダッシュボードに反映させます。
ダッシュボードは計測したデータを見やすく、わかりやすいようにグラフや表などで可視化できるため、継続して計測したい方にはおすすめです。
入店数・購買率をヒートマップに反映すれば、数値の増減をより視覚的に見やすくできます。
データの確認
ダッシュボードにて曜日・時間別の入店数、購買率を確認します。
そこから、購買率の増減の要因の洗い出しをします。
例えば、
・入店数に対して出勤している接客スタッフが少ない
・接客の仕方が良くなくて、せっかくお店に来てくれても買わずに帰るお客様が多い
・お昼休憩をとっている時間帯にお客様が多く、対応がしきれていない
…などと考えられる要因を挙げていきます。
データをもとに改善
曜日・時間別の入店数を確認し、シフト・休憩時間を設定します。
考えられる要因を挙げたら、曜日・時間別の購買率を確認し、人員配置が適正か、接客数・質が適正か確認・改善します。
また、行ったデータの分析をもとに購買率の目標設定を行います。
購買率が高ければ店舗側の利益になるだけではなく、店舗スタッフのモチベーションにも繋がってお客様の対応にも積極的になるため、目標数値が決まれば全スタッフに共有するのがおすすめです。
改善後の数値を確認
シフト・休憩時間調整後、接客改善後での購買率の変化をダッシュボードで確認します。
前の期間と比較してどのぐらい数値が変わったかを見て、効果があれば引き続き改善後のシフト調整で進め、効果が表れていないようであれば別の方法で人員配置を行います。
多店舗展開をしている企業であれば、効果が表れた人員配置を他の店舗にも実行すれば、企業全体の売上アップを狙うことも可能です。
まとめ
入店数を計測してデータ化し、人員配置を行ってすぐに購買率が高まるとは限りませんので、出来るだけ長い期間を継続的に購買率・売上の数値を追う必要があります。
データは一度取得できれば今後ずっと活かせられるわけではなく、様々な影響に対応をするためには自店舗のデータを蓄積しておかなければいけません。
ベテラン社員の知見と感覚だけで判断せず、データを客観的に見て売上増減の要因を読み取る習慣がある店舗こそが、世間的に厳しい状況でも生き残れる可能性が高いです。
店舗・スタッフのために、人員の最適化を目指して入店者数を把握するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。