RETAIL TECH 2020.07.28
「店舗の売上が上がらないのは人通りが少ないから」は嘘?
「新型コロナウイルスの影響で人通りが減っているから、お店の利用者数も減るのはしょうがない…」
確かに多くの小売店は売上が大幅に落ち込み、有名なアパレルブランドも撤退しているニュースが出ています。
しかし、本当に集客に困るほど店舗前の人通りは減っているのでしょうか。
今回は弊社が扱っている店舗分析ツールのデータをもとに、新型コロナウイルスによる社会情勢の影響で店舗前交通量がどう変わったのかについてお話していきます。
前回の記事:【店舗分析に興味ある方向け】RETAILSCOPEとXovisってどう違う?
「店舗前の人通りが減っている」のは本当?
グラフを見る前に、東京都の新型コロナウイルスに対する政府の動きを抑えておきます。
- 3月26日 外出自粛の要請
- 4月7日~5月24日 緊急事態宣言の発令
- 6月2日~11日 東京アラート発動
- 6月19日 休業要請の全面解除
3月末に不要不急の外出自粛を要請されてから休業したお店が増え、街中の人通りも大幅に減りました。
とくに街中に人が少なかったと思われる4~5月の間、交通量はどういう動きになっていたのでしょうか。
弊社の店舗分析ツールを導入していて、東京にあるお店の月別の店舗前交通量をご覧ください。
上記のグラフでは、店舗前を通った人の数を月別で表示していますが、緊急事態宣言が出た4月から明らかに数字が落ちています。
しかし、5月の交通量が4月よりも少し多くなっていることがわかるかと思います。
店舗前交通量前年比を日別で表したグラフも合わせて見てみます。
4月はほとんど数字の動きが変わっていないのに対し、5月後半にかけて数字が上がり、6月に入ってからは昨年と近い交通量を推移しているように見受けられます。
別の場所にあるお店の店舗前交通量も同じような動きが見られました。
こちらも店舗前交通量を日別で表したものですが、5月後半から数字が少しずつ上がっているのがわかります。
もちろん例年と比べて数字が低いのは変わりないのですが、5月後半から街に人が戻ってきたのは確かです。
店舗前を通った人の数を計測するメリットとは?
先ほどの解説の通り、店舗前の交通量を知ることによって“街に人が戻ってきたのか”わかるようになります。
「そもそも街に人が少なくて集客できていない」と思っていたのが、実は店舗の前を通っていた人は通常時と比較しても変わらず、他に原因があるといった発見ができます。
特に、現状のように感染者数が一向に減らない時期だと、「売上が立たない=街に人が少ない」という問題で終わってしまいがちです。
しかし、店舗前交通量を改めて見ることで
・街に人が少ないから集客しようがない
・店舗前を通っている人は少なくないので、入店してもらえるような施策を考えよう
と、より明確に判断をわけやすくなります。
他にも
・立地のポテンシャルを知ることができる
・特定のシーズン(クリスマス、お盆、ゴールデンウィー ク等)の店舗前交通量のパターンを知ることができる
・入店率を計測できるので、ウィンドウディスプレイなどの効果も見えやすくする
などと活用の幅を広げられるのが、店舗前交通量計測のメリットです。
できるだけコストを抑えて店舗前交通量を計測するためには
店舗前交通量計測に興味はあるけれど、率先して費用を出すのが難しいという場合もあるかと思います。
また、店舗前交通量だけを計測したいのに他の機能もついている+大規模な工事が必要で、想定していたよりコストがかかってしまうケースもあり得ます。
弊社では、小売店の方に余計なコストをかけずに導入していただくため、1台につき1機能という簡易的な店舗分析ツールである『RETAILSCOPE(リテイルスコープ)』を提供しております。
交通量計測モデルの初期費用は45,000円~ですので、できるだけ簡易的にデータを取りたい方はおすすめです。
リテイルスコープに関する記事:“計測がより手軽に。”RETAILSCOPE(リテイルスコープ)の提供を開始いたしました
まとめ
店舗前の交通量を計測していてデータを確認した際、ニュースや店舗スタッフからの情報で想定していた数字と大きくかけ離れていたというケースは、今後多く発生するかと思います。
誰しもが1週間先、1ヵ月先のことを予想できない状態が続いており、つい最近まで少なかったのにいつの間にか人通りが戻っていたということが各地で起こっています。
先ほどのお店の店舗前交通量のグラフでもわかるように、人通りが元に戻ってきたタイミングで施策を切り替えることで、売上・客数を引き上げることも可能です。
店舗内だけの数値管理だけではなく、店舗前の状況にも目を向けるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

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