RETAIL TECH 2020.04.20

【店舗分析を始めたい方におすすめ】世の中の店舗分析ツールを紹介

もはや導入していない小売店は少数派になっているぐらい、分析ツールは多くの店舗で活用されています。

 

小売店もさまざまなタイプに分かれるとおり、計測ツールも多種多様に存在します。

 

「今さらだけど、どんな計測ツールがあるの?」

「IT系に詳しくないから違いがわからない」

「価格も機能も自分のお店にあったものを選びたい」

といった方のために、世の中にある計測ツールをご紹介していきます。

 

前回の記事:画像解析による店舗計測を検討されている方向け 知っておくべきGDPRについて

 

なぜ計測ツールが小売店の中で主流になっているか

計測ツールがさまざまな店舗で導入されるまでは、店舗にいるスタッフが目でみてお客様の様子を確認したり、自らでデータを作成していました。

 

しかし、今では様々な手法で人の動きを計測するツールが出てきており、人の感覚に頼らずともデータを取得できるようになりました。
それにより定量的に状況を判断し、店舗の改善に活かせるようになりました。

 

中にはツール内に搭載されたAIによって、計測範囲内に入ってきたお客様を追跡し、リアルタイムに動線を確認できるものもあります。

 

データはリアルな店舗の実情を数値で確認することができるため、今まで人の目だけでは気づくことができなかった事実も浮き彫りになりました。

 

例えば、現場の無駄な動きや、接客の機会ロスに気づくことで、スタッフの動き改善につながり、生産性向上に役立ちます。

 

人員の最適化は、小売業界で問題になっている「人材不足」の状況を改善してくれます。

 

このような用途でデータを活用し、売上データと掛け合わせて確認することで、スマートな店舗経営を実現している小売店がふえました。

 

計測ツールの紹介

ツールによって、サイズやかかるコスト、機能もそれぞれ変わってきます。

まずはそれぞれのツールの違いについて理解し、一番自身のお店に合うのはどれか見極めることが必要です。

 

■TOFセンサー

TOFとは、“Time Of Flight”の略で、光を照射して反射がかえってくるまでの時間で三次元情報を計測するものです。

 

このTOFセンサーは様々な業界から注目を浴びており、今年リリースされるiPhoneにも搭載されると報じられています。

 

メリット

・被写体との距離が正確にわかる

・暗闇でも正確に距離がわかる

・装置自体はコンパクトなので、設置にかかるコストが低め

 

デメリット

・センサーから離れれば離れるほど解像度が荒くなる

・正確な解析を求めようとすればその分台数を増やさなくてはいけない

 

■Beacon(ビーコン)

Bluetooth(※)の発信機として開発されたものです。

Beaconに搭載されているのは、Bluetooth Low Energy(BLE)という通常版よりも電力を消費しないものです。

 

iPhoneやAndroidなどのスマートフォンでもBLE対応となり、Beacon端末と通信できるようになったおかげで、さまざまな場所で活用されるようになりました。

 

Beaconの仕組みは、地上にある無線局等から発射される電波を様々な電子機器で受信する事により、位置情報をはじめとした多くの情報を取得します。

 

メリット

・機器が小さく、大規模な工事が必要ない

・機器本体や設置のコストも低め

・店舗外での行動についても取得できる(対応しているBeaconが他で設置されている場合)

 

デメリット

・対応アプリケーションをインストールしなければ全く反応しない

・スマートフォンのBluetoothがONになっていないと計測されない

 

※Bluetooth…無線通信の規格。ケーブルなどを接続しなくてもデータをやりとりできる。

■単眼カメラツール

単眼カメラツールは、1つのレンズから対象者(対象物)を識別してデータ化するものです。

 

メリット

・撮れる範囲が広い

・複眼カメラよりもコストが低い

・製品によっては防犯・監視の機能も持つ

 

デメリット

・奥行きがとれないので、取得できる情報が限られる

 

■複眼カメラ(ステレオカメラ)ツール
単眼とは対照的で、2つ以上のレンズから情報を取得するツールです。

撮れる範囲は単眼カメラと変わりませんが、奥行きもとれるため取得できる情報が多いのが特徴です。

 

メリット

・取得できる情報が単眼カメラより多い

・撮れる範囲が広い

 

デメリット

・単眼カメラと比較すると高単価

 

最近では複眼カメラ並みに高精度な距離計測ができるものも開発されているので、コスト面も考慮に入れると単眼カメラを選ぶほうがいいかもしれません。

 

計測ツールの選び方

 

一度店舗分析ツールを導入するのであれば、できるだけ長期間活用し続けたいもの。

 

もちろん、お店によって店舗分析ツールに求めるポイントは違ってきますが、どのような場合でも以下の3つについても考慮に入れて選ぶ必要があります。

 

①設置

店舗内の大きさ、設置場所、計測する範囲などによって、使えるツールとそうでないツールにわかれます。

 

とくに大型店舗で店内のお客様の動線をくまなく計測したいとなった場合、ツールを複数台設置する必要がでてきます。

②一定の精度

精度というのは、「どのぐらい正確にデータを取得できるか」のことを指します。

 

例えば、入店者数を計測するために入口前にツールを設置した場合、実際入店した人だけではなく、入口付近を通っただけのお客様のカウントがされてしまう場合もあり得ます。

 

また、ツール同士を組み合わせて計測をすることもできますが、ハードウェア性能によってはデータがロストしてしまうことも考えられます。

 

環境や時間帯に限らず、ツールが稼働している間は一定の精度を保ってデータ取得することを優先するべきです。

③機能性

用途によっては

・データ取得にあまり時差を出さず、なるべくリアルタイムで情報を確認したい

・より正確なカウントをしたいため、スタッフの除外も行いたい

・年齢性別など、お客様の情報もデータ化したい

などと希望される方もいるかと思います。

 

「求めている情報を見たいときに見れるか」

これを判断基準にして選択することもおすすめです。

 

まとめ

テクノロジーの発展によって、店舗のニーズに合った計測ツールが多く開発されています。

 

単価も機能も幅広いので、計測ツールを一切導入していない店舗の方は、一度“計測”に目を向けてみることをおすすめします。

 

どの店舗も入店数や売上に波がありますが、その波の要因は何なのかを計測してみてはいかがでしょうか。

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