RETAIL TECH 2020.03.30

画像解析による店舗計測を検討されている方向け 知っておくべきGDPRについて

小売店では今、売上を上げるためにより詳細で確かな“情報”が求められています。

その“情報”を集めるために主流となってきているのがAIを使った画像解析ツールです。
弊社クレストでも『Xovis(ゾービス)』というカメラが捉えた人の属性や動向をキャッチすることができるツールを提供しており、小売店を始めさまざまな施設で導入されはじめています。

 

しかし、「画像が保存されるのではないか」「個人を特定できる情報が保存されるのではないか」というような、データの扱いに関する不安を抱かれるケースが多いのもまた事実です。

EU(欧州連合)内では、データを保有する場合にはGDPRという法律が深く絡んでおり、日本においてもGDPRと同等の厳しいルールが適用される事も今後予想されます。
そこで、今後画像解析ツールの導入を検討されている方に向けて、注意すべきことについてGDPRの内容に触れながら説明いたします。

 

画像解析ツールを使うメリット

従来画像解析をする際は、取得した画像を直接目で見て推測する必要がありました。
しかし、AIが登場してからは、事前にアルゴリズムを設定しておくだけで自動で解析まで行えるようになりました。
今では小売店を含め多くのビジネスシーンで画像解析技術が活用されていますが、それだけメリットがあることがわかります。

・セキュリティ分野に強い
・作業効率が上がる
・定量的な分析ができる
…などと、今まで手間取っていたものを解決できる手段として、世界中に画像解析技術が拡大していきました。

日本国内でも画像解析技術を使った製品、サービスが取り扱われるようになり、消費者にとっても身近な存在になりつつあります。

画像解析をするにはGDPRが絡んでくる


弊社で提供しているXovis(ゾービス)のような画像解析ツールを導入する小売店は年々増加しています。

しかし、導入するに当たって画像解析の対象者の「個人情報」はきちんと守られているのか、気になったことはありませんか?

実はこの画像解析には、欧州で決められた『GDPR』という規則に絡んできます。
GDPRは正式名称「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)で、ヨーロッパ内で適用されている法律です。
EU内の個人データ保護を強化し、統一するため2018年5月に施行されました。

このGDPRは、簡単にいうと個人を少しでも特定できるものは全て「個人情報」の対象となり、個人データを取得する際はユーザーの同意が必要になります。
GDPRが定める個人情報は画像や映像だけではなく、IPアドレスやCookie などのデジタル情報も含まれています。

もし違反をすれば、最大で企業の全世界年間売上高の4%以下、または2,000万ユーロ(約26億円)を支払わなければなりません。
日本の『個人情報保護法』の罰金は30万円以下なので、そのぐらいGDPRは厳しい規則と言えます。

日本ではGDPRは関係ある?ない?

GDPRはEU圏内で規定されている法律なので、日本では

・EU加盟国に子会社や支店、営業所などを有している企業
・日本からEU国に商品やサービスを提供している企業
・EU加盟国から個人データの処理について委託を受けている企業

出典:日本では大丈夫?GDPRの概要と対応方法を解説します

SEM JOURNAL

 

上記3点のいずれも該当しない企業についてはGDPRは適用されません。

しかし、画像解析の製品やサービスが世に多く出ていることにより、日本国内でも物議を醸しています。

以前このブログでもご紹介しましたが、調査対象者の約6割の人が「顔認証システムによるサービス利用に抵抗あり」と回答しています。
記事:国内にも広まりつつある「顔認証技術」に関する意識調査の結果を公開!その驚くべき内容とは

 

急激なテクノロジーの発達と共に、一人ひとりのプライバシーの強化にも目を向けられています。
GDPRも施行されたのが2018年と最近のことなので、日本もGDPRと同様に画像解析データの厳しい取り締まりも行われる日がいずれくるのではないでしょうか。

まとめ

もし、企業・店舗で画像解析のツールを取り扱うか検討されている方は、個人情報保護法が守られている、もしくはGDPRをクリアしたものを採用することをおすすめします。
長い目でみたときに、企業・店舗と生活者(被写体)両方にとって安心できるツールのほうがいいですよね。

そのため、製品を選ぶ際は
個人情報を保有せずに画像解析ができるか
もしくは
個人情報保護法に基づく利用目的の通知・公表等の対応ができるか
事前に調べることが必要です。

今後は日本のガイドラインにのっとった個人情報についての記事も公開する予定ですので、そちらもぜひ読んでいただければと思います。

 

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