RETAIL TECH 2020.02.25

店舗に顔認証技術のカメラを使うのはアリ?消費者の本音とカメラの必要性について解説してみた

最近になり、店舗に顔認証技術を導入してマーケティングに活用しようとする企業が増えてきています。

過去の事例や店舗経営者の勘に頼るより、店舗の状態をリアルに計測し、そのデータを基に店舗経営していこう、という動きが活発です。

 

お客様の動向をデータ化して統計を測るのに店舗で活用されているのが、顔認証技術を使ったカメラです。

小売店を始め、様々な施設での導入数が増えてきてはいますが、この顔認証カメラに対して否定的に捉えている方も一定数存在します。

 

今回の記事では、弊社で発表したプレスリリースの内容を交えながら、店舗の顔認証カメラに対する意識調査と顔認証カメラの必要性についてお話していきます。

 

前回の記事:国内にも広まりつつある「顔認証技術」に関する意識調査の結果を公開!その驚くべき内容とは

プレスリリース:カメラによる顔認証技術に対する意識調査

 

撮影されるのが「不安」だと感じる人が全体の約7割

弊社では、500名を対象に小売店舗に関する調査を実施し、結果を発表いたしました。

 

店舗マーケティングでの映像・画像の活用に関してどう感じるかアンケートをとったところ、約7割(67.8%)の方が「不安」と回答。

そのうちの半数が「顔や行動を撮影されること自体に抵抗がある」、次いで「いつどこで撮影されているのかわからない状態に抵抗がある」という理由で、店舗の顔認証カメラに不安を感じていることがわかりました。

 

NECやパナソニック、楽天、エイコムなどの有名企業が開発を進め、今ではマスクをしている人や横顔でも識別できるほどの技術を持ったカメラも出てきています。

この技術革新が進む一方、顔認証技術に対して否定的な意見のほうが目立っている状態です。

 

取得したデータを活用してほしいという声も

顔認証カメラに対して前向きに捉えている方も中には存在します。

“抵抗がない”派の理由で一番多かったのが、「暗証番号などの漏洩リスクが少なく、セキュリティ面で安心できるから」という理由でした。
そのほかにも、「店舗での体験向上にデータが活用されれば自分にもメリットがある」「生活が便利になってほしい」というように、顔認証技術が普及すれば結果的に自身の生活にもプラスになるといった考えも見受けられます。

私たちの身近なもので考えると、iPhoneなどのスマートフォンのロック画面の解除に顔認証技術が使われています。
スマホに顔をうつし、持ち主本人であることを認識すればロックが解除される仕組みとなっていますので、第三者の不正アクセスを防ぎます。

また、従来ログインする際に指紋認証や暗号入力が必要だったのが、顔をスマホに向けるだけで解除できるようになり、ユーザーにとっては非常に便利なものとなりました。

企業や店舗だけではなく、消費者にとっても顔認証技術は便利なものなので、「さらに普及して生活が便利になってほしい」といった期待する声も多いです。

2019年には大手コンビニチェーン店であるセブンイレブンが、NECの顔認証技術を用いて、入店と決済ができる店舗をオープンしました。

(参考記事:日本で“無人セブン-イレブン”、顔認証で入店 12月から実験
今では医療、金融、教育などの幅広い業界に顔認証の導入事例が増えてきています。

店舗における顔認証カメラの必要性

顔認証技術が導入されている製品といえば防犯・監視カメラやインターネット、スマホを挙げる方が多いですが、お客様の動向を計測して分析するために顔認証カメラを活用する店舗が増えてきています。

店舗が顔認証カメラを活用する理由は主に3つです。

■お客様の属性を測ることができる

年齢・性別など、来店したお客様の属性を検知することで、どういった方に人気があるのか把握することができます。

来店客の属性を把握することで、店舗の内装作りや新商品の開発、コンセプトの再構築などをする時の判断材料になります。

もちろん現場にいる店舗スタッフの感覚でお客様の属性を知ることは可能ですが、その肌感レベルの情報をデータの数字として落とし込むことは困難です。

お客様の情報はマーケティング施策を考える上で最も必要なモノなので、顔認証カメラで“正確に”データ集計するべきというのが店舗の考え方です。

■店舗マーケティングの効果測定ができる
・VMD
・新商品の陳列
・キャンペーンやイベント
などの施策が結果的に良かったのか悪かったのかを判断するために、顔認証カメラは活用できます。

例えば、店舗の新商品がお客様にウケているかどうか確認をするとします。

顔認証カメラを使って、新商品が置かれている棚に何人のお客様が注目したかを計測。その数値と、実際に購入した人のデータを比較します。

新商品に注目した人の数に比べて、実際に購入した人の数が圧倒的に少なかった場合、『新商品に対する注目度は高いけど、買うまでに至らない』といった“お客様目線の評価”を下すことが可能です。

POSレジの売上だけで判断するのと、顔認証技術を活用した客観的なデータをもとに判断するのとでは、マーケティング施策にも大きく開きが出てしまいます。

■業務効率化
お客様の動向を測定するだけではなく、店舗スタッフやマーケティング担当者の業務効率化にもつなげることができます。

カメラの種類によりますが、レジに待機しているお客様の人数もリアルタイムで計測することができます。

店内の回転率がわかるだけではなく、混雑時のレジの応援も迅速に対応することが可能です。

また、顔認証カメラで計測したデータは、ダッシュボードに自動的に反映され、見やすいグラフなどによってデータを可視化することができます。面倒な数字の入力やグラフを作成する手間を省けます。

 

店舗で顔認証カメラを使う際に気をつけるべきこと

顔認証技術を使ったカメラを提供している企業は数多く存在します。

顔認証カメラを導入している店舗も増えてきていますが、導入する上で『個人情報保護法』に気をつけなければいけません。

お客様の顔や動向のデータといった個人情報を保有する場合、活用目的を具体的にまとめて公表するなど、生活者(カメラに写る、または写る可能性のある方)とのコミュニケーションを丁寧に行う義務があります。

 

弊社で提供しているXovis(ゾービス)やesasy(エサシー)は、個人情報を保有せずに計測できる分析ツールです。

Xovisに関しては、GDPR(※)が適用されているスイスで開発されたものなので、お客様のプライバシーを守りつつデータを取得することができます。

■Xovis・esasyについてのお問い合わせはこちら

 

店舗マーケティングのことも大事ですが、お客様を情報漏洩から守るためにも、顔認証カメラは慎重に選びましょう。

 

※個人データとその処理をEU内で統一基準で管理保護するために法的要件を規定したもの。個人情報に関して世界で最も厳しい規制と言われています。

 

まとめ

顔認証カメラが出てきたことによって、「プライバシーの保護」や「カメラ画像利活用ガイドブック」について様々なメディアにとりあげられました。

ただ、画像や動画を保有せずにデータ化することは難しいとされ、未だにデータ保有している顔認証カメラがあることも事実です。

こういったことから、「保有しているデータを何に使われるか不安」「自分の個人情報がサーバー攻撃やウイルスによって漏洩するのではないか」などの不安の声も広まっています。

店舗分析ツールは機能性や価格だけではなく、安全面も考慮して導入していく必要があります。

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