RETAIL TECH 2020.01.31
「入ってみたい!」と思わせる店頭ディスプレイのポイント
繁盛している店舗の共通点の1つに「店頭ディスプレイが工夫されている」という点が挙げられます。
店頭ディスプレイは、アパレルやスーパーなどの小売業でとても重視されているものです。
店頭にお客様の目を引くディスプレイが設置されていない、もしくはお店のスタッフに装飾や陳列を任せっきりなのであれば、見込み客をとり逃してしまっている可能性が高いです。
売場づくりを制するのであれば、店頭ディスプレイも見直す必要があります。
この記事では、店頭ディスプレイの必要性とポイントについてまとめております。
店頭ディスプレイの必要性
店頭ディスプレイは、VMDの中にある『VP(見せ場)』に当たります。
遠くにいる方でも、お店の存在に気づき立ち止まる要因を作るのがこのVPです。
中には、商品横にフィギュアを置いたり、デジタル用品などを使ってディスプレイをアピールするお店もあります。
VPの中でも、店頭ディスプレイはお客様を店内へと誘因する「マグネット」的な役目をします。
お店の店頭ディスプレイが「マグネット」としての役目を果たしているかどうかで、お店の集客率も変わってきます。
店頭ディスプレイが他の什器やウィンドウと違うのは、お店のメッセージが込められている点です。
・業態
・コンセプト
・特別感(セール、季節物の販売など)
…などを瞬時でわかるような作りであれば、ターゲット客を一気にお店の中に引き込むことができます。
ただ、お客様にメッセージが伝わらなければ、いかに店内のレイアウトを完璧にしていても入店率は悪いままです。
それでは、お客様にその気が無くても思わず入ってしまうような店頭ディスプレイのポイントについてお伝えしていきます。
VMDについて詳しく知りたい方におすすめの記事:お店の売り上げにつながる「VMD」のまとめ【図解あり】
引き込まれるような店頭ディスプレイを作るためには
■「誰にでも入店してもらえるようなディスプレイ」は避ける
お店作りのポイントにもなりますが、万人に受ける商品やデザイン、ファッション、設計などは存在しません。
どのお客様もハマるポイントは違ってきます。
そのため、ディスプレイのテーマがあやふやだと、店前を通った人はお店や商品の魅力に気付いてくれません。
どの店舗にもターゲット層はある程度決まっておりますので、そのターゲットが見た瞬間立ち止まるようなディスプレイ作りをするのがコツです。
ターゲット(ペルソナ)の生活感、好きそうなインテリア、雑貨などを事細かにイメージするとわかりやすいでしょう。
■伝えたいメッセージはシンプルに且つ1つに絞る
先ほど、店頭ディスプレイはお店の伝えたいメッセージを表していると説明しました。
お客様にはそのメッセージに気づいてもらえるようにする必要がありますが、注目を集めるためにたくさんのPOPを置いたりしてはいけません。
いくらその商品に魅力があっても、「割引!」「期間限定!」「新商品!」などと複数のPOPに書かれてあれば、却ってお客様に見てもらえません。
重要なのは見た瞬間にメッセージが伝わることですので、シンプルで且つ一貫したディスプレイ作りを意識する必要があります。
■周りをごちゃごちゃさせない
お客様が自然と入りたくなるような入口は、歩き回れるぐらいのスペースがあること。
ディスプレイ周辺に余計な什器があれば、お客様は雑多感を感じ、入りづらさを感じてしまいます。
ゆとりを持たせることは、重要な販促戦略のうちの1つです。
そのため、店頭ディスプレイの周りはお客様が回遊できるように広めにとる必要があります。
■季節、イベント感を出す
店頭ディスプレイに特別感を出すためには、時期に合わせて仕様を変えるのがおすすめです。
春夏秋冬、クリスマス・ハロウィンなどのイベントを色やPOPで表してみると、一気にお客様を引き込むディスプレイに変わります。
イベントの装飾についてご興味がある方におすすめの記事:これからの季節イベントの新しいカタチ
■お客様の目線を意識した高さにする
どの什器、棚もお客様の目線に合わせて陳列することが重要ですが、とくに店頭ディスプレイの高さは意識しなければいけません。
店頭ディスプレイの高さで意識することは、遠くにいる人でもわかりやすく、そして手にとりやすいかどうかです。
60~140cmの高さ、いわゆる『ゴールデンスペース』に合わせて什器の高さを変えるのがおすすめです。
作るうえで必要なのは「先入観を捨てること」
売り場づくり全体で言えることですが、今まで培ってきた知見や経験値だけに頼っていては、お客様の目線には立てません。
お客様のトレンドや価値観というのは日々変化しており、それに追いついていく必要があります。
「過去にこういう服が評判よかったから」や、「演出や展示はこうした方が見てもらえる」などの過去の経験からすべてを鵜呑みにしてしまえば、本当にお客様に求められるお店にはなれません。
いつの時代にも選ばれるお店になるためには、お客様の動向や評価に注目することがポイントです。
弊社で提供している『esasy(エサシー)』は、お客様の行動を記録し、それを数値化することができます。
下のグラフは、店頭の衣料VPがどのぐらいの方に見られたのか(視認数・視認率)をデータ化したものになります。
アパレル業界を含めた小売の世界では、こういった販促活動が最適か考えるための判断材料が必要となってきます。
入店率と売上の結びつきについて詳しく知りたい方におすすめの記事:『入店率』をあげる。『売上』をあげる。
まとめ
最近では、店頭の什器に電子POPを置いたり、設置したモニターで動画を流して注目を集める店舗も見かけるようになってきました。
ただ、必ずしも目新しくて画期的な店頭ディスプレイにしなければいけない、というわけではありません。
什器に置く商品、陳列、デザイン、使う機材など、あらゆる素材を使ってお客様の心をつかむようなディスプレイづくりにすることが、お客様の入店率につながります。
魅力的な店頭ディスプレイを作るためには、トライアンドエラーを起こしながら追求していくことが必要です。