SIGN 2019.09.03
失われつつあるネオンサインの新たな価値
ネオンサインの歴史
ネオンサインはフランスで開発され、1912年にパリ万国博覧会で公開されたのが最初(ただの理容店だったとの説あり)とされ、特許を取得した開発者のジョルジュ・クロードは1915年に「クロードネオン社」を設立し、ヨーロッパやアメリカで販売されていたようです。
日本国内での最初の設置は谷沢カバン店(東京都中央区銀座/現タニザワビル“銀座タニザワ”本店・1918年?)、白木屋大阪支店(大阪市中央区備後町/現第二野村ビルディング・1925年?)、日比谷公園(東京都千代田区・1926年?)と諸説ある。近年はLED照明など新しい光源も登場し急速に普及しているが、色の鮮やかさ形状の自由さなどの利点からネオンサインはなお健在であるが、昔繁華街や人が集まる場所には必ずあったものが失われつつあります。
引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネオンサインの構造と演出
ネオンサインに用いられる灯体は、直径8 – 15mm、長さ1.5mくらいのガラス管で、広告主の注文に応じてほぼ手作業による職人技で、いろいろな形状に曲げられ作られます。型紙を作りそれを元に熱しては当てがい地道な作業の繰り返しです。ネオンサインに用いられる管は、ガスそのものの色を出すための透明なものと、様々な色を出すための無機蛍光体を内面に塗布した蛍光管があります。
ネオンといえば様々な色がありますが、ネオンガスのみで出せる色は限られているため、実際はアルゴンガスなどが併用されます。アルゴン管ではアルゴンガスの他に若干の水銀も加えられています。ネオンガスの透明管では赤く発光し、ネオンガスの蛍光管ではピンク、オレンジを出すことができます。アルゴンガスの場合、透明管では青を、蛍光管では青、緑、紫、白などを出すことができる。 両端の電極に加えられる6000 – 15000Vの高電圧により発光します。蛍光灯のような点灯開始時のちらつきがない特性を利用し、文字や模様の点滅で演出がなされることもあります。
一方で、ネオン管は、ガラス管をバーナーで熱して曲げ加工する工程、ガラス管にガスを注入する工程、ガスが漏れないように完全密封する工程など、製作するには高度の勘と熟練を要する専門的な手作業が必要です。ネオン業界の維持にはその技術継承が非常に重要ですが、LED化とサインに掛けるコストの低予算化によってネオン需要の減少と相俟って跡継ぎになる人が減少し、現在製作できる職人は高齢者が多くなっているのが実情です。
また、ネオン管灯設備やネオン変圧器に不具合が発生すると、場合によっては高電圧が建物の構造物にリークし火災に結びつく恐れがあります。その為ネオン管の設備やサイン工事では消防機関への届け出が現在必要となっております。現在商業施設等では低圧ネオンの設置は許可されているところはありますが、高圧(屋外で使用するもの)は許可が降りません。その為、現在ではネオンを模したLEDネオンが普及しています。
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新たなニーズ、製品ポジションの変更
世代によってネオン管はアートとしてのポジション確立しています。世の中は振り子であるかのように現在注目を浴びており、ネオンにしか表現できない風合いが重宝され、高級ブティックや飲食店では新たな利用価値を生み出しております。素材と職人は減少傾向ではあるが、この古き良き一時代を担ったネオン管をクレストでは市場から守って行きたいと考えております。