RETAIL TECH 2019.06.21

未経験の方でも簡単!esasyデータの読み取りポイントをご紹介

弊社のesasyを導入を検討する以前から、既にトラフィックカウンターなどで入店量などを計測されている方々も多くいるかと思います。しかしながら、分析するデータが増加すればするほど、その因果関係と紐付けることも非常に難易度が上がってくるため、これまでの属人的な小売事業運営(とりわけVMDのROIの測定などは非常に属人的かつ定性的)を行う方々にとってはハードルが高いものだという声を聞くことが多いです。

そのため今回は、esasyのデータを元にして、小売店舗におけるデータ分析について簡単に読み解いていくポイントをご紹介します。

本記事の著者である私はクレストのリテールテック事業部のK-TAと申しまして、2019年の2月までは、クレストの既存事業であるサイン&ディスプレイ事業に所属しており、社内の異動によってリテールテック事業部のセールスにて業務に励んでおります。私自身これまではアナログな看板や小売店舗のディスプレイを販売しておった未経験者でありこれまではデータ分析や統計学などとはかけ離れていた仕事をしていました。現在では日々データに触れ合い、私なりの2つのポイントを見出してまいりましたので、是非ご高覧下さい。

本記事では、弊社で経営しますインナチュラルの店舗内に入ったダッシュボードを見ながら、お話を進めたいと思います。

<インナチュラルホームページ>

http://m.crestnet.jp/l/651203/2019-05-15/3vh24b

インナチュラル:ガーデニング・アパレル・生活雑貨を組み合わせたライフスタイル店舗

 

ポイント1:相関関係を確認する

VMDやディスプレイを評価する時には、何を計測の『目的』とするのかを決めておく必要があります。
視認数の値で評価することも一つですが、それだけでは単一的なデータが見えるのみで終わってしまいがちです。
①視認数を図ることで、②目的が達成されているのかどうかを見る必要があり、またそれらに相関関係があるのかを見ていく必要があります。

目的)例

●店舗前ディスプレイ

→店舗前を歩くお客様へ訴求をし、店内へ入店させることを目的とする。

※この場合、視認数と組み合わせて確認するのは『入店数』です。

 

●店頭VMD
→売りたい、売れると思っている商品を店舗前の人目に付きやすいファーストテーブルへ配置することで、売上をあげることを目的とする。

※この場合、視認数と組み合わせて確認するのは『売上』です。

このように、VMDやディスプレイは「どれだけ見てもらえたから」→「どうなったのか」までを意識して、2つの結果に相関関係があるかどうかを確認していきます。

ちなみに、弊社のインナチュラルではVMD(ファーストテーブル)の視認数と、売上には相関関係があると判断しており、毎週の振り返りではこの2つの数字がどのように変化しているのかを確認しています。

 

ポイント2:グラフは波形でみる

グラフを確認するときに『実数値はどうだったのか?』と最初から細かいところに目が行きがちになります。実際筆者の私はそうでした。

まずはグラフの『波形』をみて全体感を確認してみましょう。

確認する時のポイントは、

①普段の傾向と比較する

何か施策を打ったあとの確認であれば、普段の波形がイメージできることが必要です。

②日次、週次、月次で確認する

施策を打った、ディスプレイを変更した、VMDの商品をを変更した、などアクションを起こした場合にはその翌日の1日の波形を確認してみてください。

これらの2つが重要となります。

週次で一週間の波形を確認してみてください。計測をしていると、パターンが見えてきます。
もしも普段のパターンと異なる結果が出ている際には『何が原因だったのか』を確認してみましょう。

次に月次で1ヶ月の波形を振り返ってみてください。特に大きなイベントがあった際には、いつ、何があったのか、イベントカレンダーと組み合わせて確認をして、イベントの前後でどのような波形になったのか『要因』を確認してみましょう。

 

③先週・先月と比較する

※日次、月次で確認するときは先週と比較してみましょう。


※[濃い線]:6月10日~6月16日 [薄い線]:前週

 

それでは、上記の2つのポイントを活かしながら、実際のデータの分析結果を見てみましょう。

 

インナチュラル某店舗の衣料ディスプレイを視認数と売上の波形から評価してみる。


※[濃い線]:5月27日~6月2日 [薄い線]:前週

 

①このディスプレイの目的は『売上をあげること』である

ここの店舗ではVMDスペース(ファーストテーブル)にカメラを設置して計測をしています。そのため目的は『売上をあげること』になるので視認数と売上のグラフにどのような相関があるのかを確認します。

 

②週次で確認してみる

視認数:平日はそこまで高くありませんが、土曜から日曜にかけて伸びています。

売上 :29日(水)の売上がピークでそれ以降はほぼ横ばいです。

 

②先週と比較してみる

視認数:月曜から土曜までほぼ前週に負けていますが、日曜日がとても上がっています。

売上 :月曜から日曜にかけてほとんど前週に勝っています。特に水曜日の売上は前週と比較してもかなり上がっています。

 

●考えを巡らせてみる

→VMD変更日の翌日(29日)の売上が上がっている。

こちらの店舗では毎週火曜日にVMDの変更をおこなっています。そのため翌日の29日(水)に売上が伸びているところを見ると、訴求が当たっていたと考えられます。

では視認数が低いことをどう捉えたのかと言うと、こちらの店舗の平日のお客様は常連の方ばかりであるというデータがPOSレジのデータから取得できています(この詳細は非開示とさせて頂きます)。そのため目的をもってインナチュラルに来店したのではなく、ふらっと入店していただいている(非計画購買)値が低くとも売上は伸びているとも考えられます。よって、売上をここから更に伸ばすためには、既存の計画購買ユーザー以外の非計画購買ユーザーの獲得が1つ重要な論点にもなってくると想定されます。

 

→日曜日の視認数が圧倒的に伸びた。

土日のお客様は平日と異なり、新規顧客になり得る方が多く店舗前を通られます。さらに平日よりも店舗前交通量が上がることから、土日は視認数をより上げたい期間です。
しかしこれまで日曜日の視認数は、土曜日と比較して数値が下がる傾向がありました。

そのため日曜日の数字が上がったことは、新規顧客になり得る非計画購買のお客様に、興味・関心を持っていただけたと考えられます。
このとこから訴求が当たっていたと考えられます。

しかしながら、視認数が大幅に伸びたにもかかわらず売上は伸びませんでした。

このことを販売部側のマネージャーに伝えたところ、日曜日の売上が上がらなかった要因として『衣料に弱い販売員を配置してしまっていた可能性がある』とのことでした。

このように、esasyのグラフからただ数字を読み取るだけで終わるのでなく、『原因は何だったのか』をヒアリングしていくことで、さらなる店舗の改善に繋がると考えます。

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