RETAIL TECH 2019.05.22

売上とディスプレイ視認数の相関関係を探る 

弊社では『インナチュラル』というガーデニング・アパレル・生活雑貨を組み合わせたライフスタイル店舗を運営しています。

今回は一部の店舗をesasyで計測したデータをもとに、売上とディスプレイの相関関係を探って見えてきたことをお伝えします。

<インナチュラルホームページ>
http://m.crestnet.jp/l/651203/2019-05-15/3vh24b

 

植物部門の理想的なグラフが見えてきた

1週間ごとの『売上』と『視認数』を表した2つのグラフをご紹介いたします。

まずは、植物のディスプレイの5月13日(月)から5月19日(日)までの『売上』と『視認数』のグラフをご覧ください。

『売上』と『視認数』の数字が日によって前後しているため、ほとんど相関関係がないように見えますね。
このことから、この週はディスプレイが見られたかどうかは売上にあまり関係していないと推測できます。

《グラフ①》

次に、植物のディスプレイの1週間前の母の日があったグラフ(5月6日(月)から5月12日(日))をご覧ください。

特徴的な点は、先ほどのグラフと異なって視認数と売上のグラフがほぼ並行している点です。
このことから、購買客の需要に合ったディスプレイを店頭にて展開できていたと評価できます。

《グラフ②》

なぜこのような綺麗なグラフができたのか、要因は5月12日(日)は母の日にありました。
世の中の植物への需要や関心の高まりが背景にあったこと、母の日というイベントに合わせてディスプレイをセットしたことで、需要・関心の高まっている購買客へしっかり訴求を行うことができ、『売上』と『視認数』が並行したグラフになったと考えます。

最後に、5月1日から5月20日までのグラフをご覧ください。
母の日が近づくにつれて、『売上』と『視認数』が比例していく様子がわかると思います。
5月前半はゴールデンウイークにより店舗前交通量が高まっていたことが要因で、視認数が上がっています。
残念ながら、母の日が終了した後は視認数と売上の開きが出てきてしまいました。

《グラフ③》

《参考:4月1日から5月20日まで》

母の日という国民的イベントが背景にあったことが前提になりますが、母の日までのディスプレイ施策は成功したと評価できると思います。

ディスプレイを評価する場合、目指すべき理想のグラフは《グラフ②》になります。

esasyの計測データで確認して欲しいこと

今回インナチュラルで理想的なグラフができた最大の要因は『母の日』です。
母の日は国民的なイベントだったこともあり、需要と関心の高まりを予測でき効果的なディスプレイをセットできたことで理想的なグラフを作成できました。

ただ、普段から国民的なイベントがあるわけではありません。そのため、店頭のプロモーションは検討されるのだと思っています。
esasyはその店頭のプロモーションに合わせて展開したディスプレイを評価するツールとしてご使用頂きたいと思っています。

『売上』だけが評価基準になっている場合、実は店頭で注目を集めていたけど、売上が上がらなかったお店のディスプレイはどのように評価したらいいでしょうか?

私たちは、『視認数』という新たな基準を設けて評価するようにしています。

例えば、以下の2つのグラフをご覧ください。グラフは衣料部門の『売上』と『視認数』を表しています。

《5月6日から5月12日まで》

《5月13日から5月19日まで》

某店舗では毎週火曜日にメインのディスプレイを変更しています。
今回、5月14日(火)に変更したディスプレイでは、前週の商品売上順位や周辺店舗のディスプレイで展開されている商品を分析した結果を元に、強化商品を定めて展開を実施しました。

売上の結果だけを見ると、上位を締める商品は狙った通りの商品が売れていたので今回の施策は成功と言えます。
※もちろん売り上げに貢献した要素「声掛け」、「集客」、「天候」など他要因による効果である可能性もあります。
原因特定の為には別のデータをもってその因果関係を明瞭化し断定する分析がまだ必要です。

では、視認数はどうでしょうか?

前週の数値と比べて14日(火)以降の視認数は曜日ごとに比較しても負けていないことがわかります。


※濃い線:5月13日(月)~5月19日(日) 薄い線:5月6日(月)~5月12日(日)

 

つまり、
市場の状況を見極めて行った施策は、店頭でしっかり関心を集めて購買に至ったと仮説を立てる事ができます。

いかがでしょうか。
視認数が加わることで、ディスプレイへの評価がより詳細になったと思いませんか?
esasyを使用することで、POSデータ、売上結果だけでは評価できなかったことへ興味を持って頂ければ幸いです。

 

理想的なグラフを描くために必要なこと

今回の結果から、理想的なグラフを描くために必要な要素は3つあると考えました。

《理想的なグラフを作成するディスプレイ 条件》
1・季節感やイベントに紐づいたお客様の興味や関心事をイメージできていること。
2・購買意欲をそそる販促施策が展開されていること。
3・展示物(ディスプレイ)に『ターゲット』と『目的』を設定できていること。

圧倒的な商品力を持つ商材であれば店頭の置いておくだけで売れますが、差別化が難しい『植物』などの商材については購買に導く仕掛けが非常に重要であると思いました。

esasyを活用いただき、仕掛けが店頭でどのように売上へ影響したのか、どのように関心が高まって行ったのか、傾向を把握して次へ繋げて頂ければ幸いでございます。

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