RETAIL TECH 2017.05.22
「そこにいた」から「見た」はずだ、は「見た」のか?
いろいろ面白系ガジェットが増えてきて、あれこれ遊んでおりますNaoyaです。
最近、急にISM(イン・ストア・マーケティング)への関心も高まり。入店カウンターで人数を取りそのデータをマーケティング施策に活用しようという記事や、店内マーケティングという施策を提案する会社が増えてきました。
それらの記事を見ると、このBlogや今までご案内してきた話から引用されている場面もありとてもうれしいです。
ESASYを取り巻く環境はリリースした一年前には想像もつかないぐらい、目まぐるしく状況が変わっています。
ISM自体、ISPやVMDとしていろいろな人のナレッジを昇華し、お店作りの羅針盤として多大な役割を果たしています。弊社が運営するリアル店舗の運営でも参考にさせていただいています。
そんな弊社がESASYを開発、提供している背景として「ESASYはクレスト(S&D)事業者が提供することでシナジーを生み出す必要性のあるものでなければならない。」と考えています。そのため「店内導線」や「混雑具合評価」といったヒートマップを描くユニットとしては位置づけていません。
「見てるだろう」ではなく「見てる」を診る
どうしても天井付帯のカメラの場合、来店者の身体の向きなどは計測が困難であり。
「このあたりにいるんだから、この辺の展示物が視界に入るはず」だから「見てる」と解釈する。という評価になってしまいます。
分母が大きなアメリカや、郊外の商業施設であればそれで問題ありません。入店カウンターやピープルカウンターで十分だと自分も考えます。
が、ESASYは「展示物(販促物)に対する費用対効果の測定データ」計測ユニットであって、直接的に店舗の売り上げに繋がったかどうかを判断する材料の提供を目的としています。
非常に短期的、局所的な計測になりますが、面ではなく点で計測を行い店内のPDCAを高速で回転させるためのデータを提供します。
むしろ面計測のデータと組み合わせて活用いただくのが最適と提案だと考えています。
データは多角的でなければいけない
ひとつの事象を評価判断する時、天候・時間・行事・曜日・位置。そのほか外的要因など様々な角度、条件によって一定のパターンがあるかどうかと見つけ出す作業が必要です。
面一辺倒で把握されることはまずありえません。
「同じお店はふたつとしてない」ことはリアル店舗を運営されている皆様であれば重々ご承知のことかと思います。
が、逆説的に「類似の条件に一致する店舗が存在する」こともまた事実かと思います。
そのための評価を行うためにも面と点の計測を行い、多角的な分析・評価を行う必要があります。
ビジュアライズはシンプルでなければいけない
当社が運営する店舗、ESASYを設置させていただいている店舗を評価する際。
ビジュアライズされたBIダッシュボード上のグラフカードは、1店舗あたり7~10カードほどを使って評価しています。
・商業施設内にある店舗/路面の店舗
・駅から近い施設/車で来ることが前提の施設
・新しい施設/地域に定着した施設
・若い人が多い施設/年配の人が多い施設
ざっくりわけてもこれだけの店舗分類がされます。
面白いことに、「店舗前交通量」「VPの視聴数」「滞在時間」を軸にPOSの売上データとつなぎ合わせることで。上記4軸の目線で見るときれいに2分割された結果が出てきます。
それは購買客数、客単価、ABC分析といったコンバージョン結果に対しても比例した結果となります。
黄金律の探求
いままで自社の店舗をいろいろな目線で分析し、店舗へフィードバックし観察し、また改善を行い。ようやくその糸口が見えてきました。
外的環境に大きな課題もなく、しかし大きな飛躍もない店舗でした。
予算達成率も70%~80%を行き来する状況で。可もなく不可もなくといった感じで、評価が難しい店舗でした。
集中分析を開始して3か月。オープン2年目にしてようやく予算の大幅な達成を行い、それを継続できるようになりました。いままで社内で言われていた通説に流されていた状況をESASYによって変えることができたとも思っています。
こうなれば、先のお話のとおり「面計測」のおおまかなデータが役に立ちます。
日々の効果判定を大きな数字で見れるのでとても役に立ちます。
該当店舗は「面計測」データをもとに日々注視をすることで、達成率は維持できています。
もちろんこれは一例であり、他の店舗にも通用したかと言われれば。NOです。
なかなか一筋縄ではいかないな、と日々苦闘しております。
今後もいちリアル店舗運営事業者として、ESASYの開発責任者としてISMの研究を行い皆様にもご利用いただける情報を提供したいと考えています。
ESASYによって得られた「点」のデータを、「面」としてうまく活用しお客様へ有効活用する方法を今後も発信し続けたいと思います。