LMI Group NEWS 2015.03.31
閉店後のディスプレイ変更、当日の朝にまず見つめなおすべき10のこと。
こんにちは。
世の大人たちはよく、「失敗から学べ」という甘い言葉をかけてくれますが、弊社のビジネスの主体である店舗の看板やショーウインドウディスプレイなどの施工においては、
失敗は絶対に許されません。
さて、そんなにもリスクの高いビジネスだからこそ、そこに仕事の醍醐味と高いリターンがあるのですが、やはり設営当日にむけて用意周到にしておくことが必須です。
そこで、我々のような施工会社が、施工当日にどのような確認をすべきかをこの場で伝授します。
1.全ての資材の着荷確認を、運送会社の伝票番号などから自ら確認をとる
施工開始後、「やばい!新商品の広告ビジュアルが届いていない!」などといった声はどこの現場でもよく耳にすることです。私もこれは何十回も経験しております。製作会社は「作って発送しましたよ」と言っても、運送会社が遅延していたり、まれに紛失していたりするケースも多くあります。
必ずすべての資材の着荷確認はとりましょう。
2.図面をもう一度見なおして、手配内容に漏れがないかを製作会社と電話やメールで再度確認をとる。
前述の1と類似していますが、1より最悪なケースです。発送したものが遅延しているだけなら、慌てて持ってきてもらえれば何とかなりますが、実は作ってもいなかったとかいう事態も稀に発生します。私も自分の発注漏れで大慌てし、偶然にも夜中に営業をしていた製作会社さんに何とか助けてもらって間に合った、ということを幾度か経験しております。
当日の朝に確認さえしておけば現場で冷や汗だらだらになる必要もなかった、、、。といつも後悔します。
3.作業申請の控えを必ず持参。申請の日時と時間帯を再確認する。
これは百貨店やファッションビルでの設営、もしくは道路使用許可申請が必要な屋外広告の設営作業の場合、いずれも作業の許可申請というものが必要になります。
前者の百貨店やファッションビル、いわゆる業界用語で「館(やかた)」と言われるディベロッパーにおける作業申請におけるトラブルのケースを紹介します。
まず、作業日の一週間前には遅くともクレストからその店舗へ直接連絡をし、作業申請を館に対して出して頂く、もしくはクライアントの本社の担当者様にお願いをして、店舗経由で申請を出してもらう、ということをしなければなりません。
(クレストでは作業申請は専属の担当部署があり、そちらで全国全ての館への申請を集中管理しておりますので、いつでもご用命下さい。)
そこまで申請をお願いしていたとしても、当日作業に行って、入館しようとしたら、警備員の方に「ん?クレストさん?今日は入館の申請は出ていないから入れませんよ?」といって施工に入れなかったケースは何度かあります。
そのため、間違いなくその日に作業申請が出ているかどうか、作業申請の控えを必ず持参して行きましょう。道路使用許可申請でも全く同じです!
これに関しての詳細は、「百貨店の作業申請のリスクマネジメントと攻略法」の記事を参照下さい。
4.全ての利害関係者の携帯電話番号を把握しておく
実はこの記事を書いている私は今、渋谷のとあるブランドの店舗におります。今の時間は朝5時45分です。
そう、私は大阪から届く荷物を東京で待っています。しかしながら、そのチャーター便のドライバーの電話番号がわからず、何時に到着するのかわからないという事態の真っ最中です。
現場では何が起きるかわかりません。お客様、施工会社の職人さん、運送会社のドライバー、全ての利害関係者の携帯電話を把握しておきましょう。
5.防寒グッズを用意
春だからといってナメてはいけません。夜は寒いです。
百貨店は閉店後はエアコンは切ってしまいますので、室内だからといってナメてもいけません。ただでさえ深夜作業で弱った体が寒さですぐに風をひいてしまいますよ。
6.施工に入る職人さんに、自分の設営作業の前に別の現場があってそちらが遅延してしまって自分の現場に遅れる可能性がないかどうか確認
いざ20時から設営作業だけど、あれ?手配していた職人さんが来ないぞ、ということもよくあります。あなたにとっては今日はこの1件だけの現場ですが、職人さんたちにとっては毎日数件重なる現場の連続の中の1つに過ぎません。だからといって遅延が許されるという意味ではなく、前の現場が押して遅延するリスクはどれくらいあるのか、ということをあなたが事前に把握しておく必要があるということです。
事前に、「前の現場次第では最大1時間遅延する可能性がある」ということを聞いておくのと、何も聞かずにいて突然「ごめんなさい!1時間送れます!」と言われるのでは同じ1時間の遅刻でも、うまくクライアントに事情を伝えられたり、そのリスクがあるなら事前に自分で職人さん全員分の入館バッジをもらっておくことや、搬入を進めておいたり、むしろ効率的に時間が使える場合もあります。
同じリスクに立ち向かうのでも、そのリスクを事前に知っているのと知らないのでは大違い。リスクは徹底的に把握しましょう。
7.お客様側の担当者も現場に来るかどうか確認。来ないなら商品の陳列どうしようか指示を事前に仰ぐ。
こちらもまた特にアパレル関連においてはより徹底した確認が必要です。我々の作業はウインドウやイベントスペースの設計施工ですが、発注者であるクライアント側からしたら、自らが販売する商品を陳列して初めてその場が完成するわけです。
クライアントの陳列のVMDルールなどをどこまであなたが把握しているかにもよりますが、クライアントが来ないとなると、もはやあなたが陳列するしかありません。
そのような場合でも対応できるように、事前にお客様から指示を仰ぎましょう。
8.近所の交番を調べておく。
稀なケースですが、閉店後のお店に酔っ払いが絡みに来た経験があります。
相当しつこかったのでそのまま交番に連れて行きました。
一応、念のために交番の場所は把握しておきましょう。
9.近所の24時間営業の出力センターを調べておく。
前述の1,2の場合、もしくは、施工中に失敗した場合、いかなる場合でも私達はこの現場を完成させる責任があります。ですから、万が一に備えて、出力物を用意できる手はずを整える必要があります。
全国対応できる24時間の出力センターでおすすめなのが、アクセアさんです。
10.近所のドン・キホーテなど、施工中にトラブルが発生した場合買い物に行ける場所をあらかじめ調べておく。
何度も言いますが、現場では何がおきるかわかりません。出力以外でのトラブル、最後の手段はドン・キホーテです。
この10箇条を必ず守れば、あなたは今日からあらゆるリスクをヘッジできるサイン&ディスプレイ業界のプロジェクトマネージャーとして一流の現場管理能力を手に入れることでしょう!